第22回の特集は、予告したとおりニット−盤SPレコード復刻記念ということで古靱太夫の追加音源です。古靱太夫(山城少掾)は、生涯にわたり大変多くの音源を残しており、修行期の芸を鑑賞するのも興味深いものです。今回の音源は、明治42年にニ代古靱太夫を襲名し、大正期の名人三代鶴澤清六が相三味線となった修行時期にあたる明治末期からニット−レコード録音初期までのレコードを幾つか取りあげました。おそらく、その中には清六が目指した芸の規範があるのではと考えています。旧式の録音ですので、ノイズで聞き苦しい点はご了承下さい。音源はレコード1面単位で載せます。テキストは床本集や「義太夫全集」(日本音曲全集)など、その他上演資料集などを参考にしてください。
尚、卅三ケ所壷坂と彦山権現については、芸能レコード史研究家 大西秀紀氏に御好意で音源を提供頂きました。大西氏は、御存じのように平成18年のニット−盤 長期間レコード音源CD化にて復元・編集を担当されております。また最近、京都市立芸術大学 伝統音楽研究所HPにてSPレコードレーベルの歴史的資料も公開されておりますので以下御紹介致します。(京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター 展覧ギャラリー「SPレコードレーベルに見る 日蓄−日本コロムビアの歴史」)