ひと昔前であれば、大阪の商家や企業でおめでたき事があった時などに三番叟人形が舞ったものですが、最近は如何でしょうか? 新年を迎える第10回特集では、壽式三番叟の昭和初期音源を聞いていただきます。この音源は、昭和十七年に発売された義太夫レコードで、演者は(翁)ニ代豊竹古靱太夫、(千歳)四代竹本大隅太夫、(アド)三代竹本相生太夫、(三番叟)四代竹本織太夫、(ツレ)三代豊竹つばめ太夫、(三味線)初代鶴澤道八、四代鶴澤清六、九代野澤吉五郎、四代鶴澤清二郎、七代竹澤團六、豊澤團伊三、(囃子)梅屋金太郎社中となっています。音源はレコード1面単位で載せます。テキストは国立文楽劇場上演資料<16>中の『新舞台式三番叟』翻刻、その他は道八芸談『寿式三番叟』、浄瑠璃雑誌第四百十三号『ビクターレコード 寿式三番叟合評』等を参考にしてください。