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特集 12

鶴澤清六 2006年9〜2007年5月

 第12回特集は、ニット−レコードで残っている三代鶴澤清六師・四代鶴澤清六師の音源を聞いていただきます。三代清六は、明治三十一年から三代大隅太夫を弾き、その後明治四十二年からは亡くなる大正十一年まで相三味線として二代古靱太夫を鍛えました。最晩年にニット−から二代古靱太夫と数多くの一段物レコードを残しています。今回の音源は特集一回目菅原伝授手習鑑 寺子屋の差し替えに相当する部分を紹介します。次の四代清六は、徳太郎を経て大正十二年に四世を襲名し二代古靱太夫の相三味線を勤めました。四代清六を題材にした小説で有吉佐和子の「一の糸」がありますが、秋の夜長に一読など如何でしょうか。ニット−、ビクター、コロンビアから二代古靱太夫と名演を数多く残しています。今回の音源は襲名一年後発売された野崎村を紹介します。音源はレコード1面単位で載せます。音質については補正しておりませんので聞き苦しい点はご了承下さい。 

最近、早稲田大学演劇博物館によってニット−長期間レコードの再生がなされました。関係者皆様の尽力に対して心から敬意を表します。今後も作品を残した演者・製作者の努力、文化財を寄付した人の篤志に報いる為にも稀少音源の再生頒布が継続されることを切望致します。さらに、移り気な国策を頼らないで復刻できる仕組みを構築すること、一方著作権法に対しては日本の文化状況に即して文化継承の大義が尊重されることが肝要と思います。


ニ代豊竹古靱太夫・三代鶴澤清六 菅原伝授手習鑑 寺子屋の段

ニット−盤 (大正十年 第一回発売) 

音源1

 

二代豊竹古靱太夫・四代鶴澤清六 新版歌祭文 野崎村の段

ニット−盤 (大正十三年)

音源2