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刷り物 各種

三業の襲名、追善や慶事のものを紹介する。刷り物では、名前に関連する絵や師匠筋にゆかりのある人が添えたものを見ることができる。



   

太夫襲名

昭和十六年九月 竹本文字太夫改め、六代竹本住太夫襲名 

  

   

三味線彈襲名

昭和十七年十一月 鶴澤綱延改め、四代野澤錦糸襲名 

    

      

人形遣襲名

昭和十八年三月 光之助改め、三代吉田光造襲名(後の二代吉田栄三)

   

       

慶事記念

昭和十一月 代豊澤猿糸 銀婚式

五代豊澤猿糸(後の七代廣助)が、南地演舞場にて松葉家銀婚式祝賀演芸会を開催(浄瑠璃月報六巻十一号、浄瑠璃世界三百十号記事より)。

追記:御指摘があり、再調査致しました。訂正して謹んでお詫び致します。(下線で表示 2008. 4. 4)

   

      

追善色紙 六代豊澤廣助

其の一

六代豊澤廣助 七回忌追善  

明治大正期の名人である六代廣助は、晩年の摂津大掾の相三味線として有名である。元々は、彦六座の幹部であり、芸道に生きた人であった。古老に相応しく引退後も後進の指導にあたり、稽古での厳しさは伝説になっている。例えば、三宅周太郎著 文楽の研究の故名庭絃阿弥の話、文楽総稽古の話などで拝察できる。多くの人が芸談の中で師に対する恩を回顧している。引退後には名庭絃阿弥の名を、近衛家から受けている。大正十三年三月逝去。

      

其の二

因会員代表の部 (金粉・紋の加工)

         


襲名や追善は、見事な芸の継承のしくみである。もちろん、それに伴う厳しい義務や倫理と、付き合いにおける経済的な負担は大変ではあろうが、興行上も大きな推進力である。観客としても、表の華やかな面は愉しみ事であるが、観客も芸の継承に参加していることは、後年少しずつ実感する事なのだろう。

参考:演劇百科大辞典、義太夫年表 明治篇、義太夫年表大正篇、六代竹本住太夫、文楽談義、文楽 創立二十五周年を記念して、今日の文楽、文楽の研究