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興行チラシ2

           

 ここでは、昭和14年から15年にかけて作成された「いろは歌留多」集の興行チラシを紹介する。一部不揃いであるが、斉藤清二郎氏の描画による企画ものである。この頃の四ツ橋文楽座は、三巨頭時代の末期にあたる。また世の中は、既に大陸で戦争が始まり、太平洋戦争前夜であった。チラシ等の紙質も昭和初頭と比べて落ちてくるが、趣向がそれを補っている。斉藤画伯は、人形浄瑠璃かしらの研究家としても知られ、昭和前期の公演パンフ表紙、チラシ、関連雑誌の挿し絵や絵葉書集などにも多くの作品を残している。

 参考: 私説昭和の文楽、文楽興行記録昭和篇


戦前期

【四ツ橋文楽座 ちらし】

昭和14年10月1日より

鬼一法眼三略巻、迎駕野中の井戸、恩讐の彼方に、紙子仕立両面鑑、近頃河原の達引、本朝廿四孝、妹背山婦女庭訓

169mm×142mm 片面印刷

     

昭和14年11月1日より

伊賀越道中双六、碁太平記白石噺、紅葉狩

      

昭和14年12月1日より

仮名手本忠臣蔵、艶容女舞衣、曲輪文章、戻駕色相肩

       

昭和15年1月元旦より

京鹿子娘道成寺、一谷嫩軍記、三人片○、義士銘々伝、由良湊千軒長者、関取千両幟、女夫の春駒

           

昭和15年2月1日より

御祝儀豆まき、近江源氏先陣館、天網島、奉頌皇紀二千六百年、伏見里、大楠公、三勇士名誉肉弾

        

昭和15年3月1日より 雪精化粧の白鷺、日吉丸稚桜、太平記忠臣講釈、寿式三番叟、桂川連理柵、摂州合邦辻、伊達娘恋緋鹿子

172mm×190mm 両面印刷の片面