特集49では、名人のおもかげの追加音源を聞いていただきます。音源は、ほうがく盤 伊賀越道中双六 沼津の段 二代鶴澤觀西翁 三代鶴澤寛治郎です。今回はその前半をお送りします。「沼津の段」は観西翁の得意としたもので、昭和十五年吹き込み、観西翁の七十七祝いの記念盤です。三味線の寛治郎はのちの六世鶴澤寛治。二代觀西翁は幕末期大阪の生まれ、十一才の時五世鶴澤寛治に入門。三味線弾きとして松嶋、御霊、四ツ橋文楽座に出勤、竹豊座では太夫をしたという経歴を持っています。音源は補正していませんので雑音などは御容赦願います。テキストは公演床本集や浄瑠璃の注釈書などを参考にしてください。
災害や感染症の流行など社会の状況が目まぐるしく変わり、先を見通すことはなかなか厳しい状況です。当分は、自らが熟考し社会とバランスを取るという難しいやり方が続きそうです。そんな中、文化活動を支える様々な生業の方々も疲弊しながら努力されていること頭が下がります。時節柄、どうぞご自愛下さい。