第15回特集は、引き続き三代竹本津太夫の音源を聞いていただきます。今回の音源は、義経千本桜の三段目 鮓屋の段を紹介します。時代物(五段形式)の三段目では、劇世界に張りめぐらされた伏線や押し寄せる緊張感が人物の情や哀れに繋がり、まさに愁嘆場たらしめます。 このレコードはお里の嘆きが中心で、梶原の詮議と権太の手負いの部分は割愛されています。また、六面終わりの「跡を慕ふて」に関しては、かつて三代長門太夫、二代団平師、初代玉造の三業の息があって玉造の腹帯が切れたと言う逸話が残っています。 音源はレコード1面単位で載せます。音質については補正しておりませんので、音源の圧縮で聞き苦しい点はご了承下さい。 テキストは「義太夫全集」(日本音曲全集)「浄瑠璃名作集」(日本名著全集)「文楽浄瑠璃集」(岩波書店)など。芸談については「国立劇場上演資料集」「芸談かたつむり」「文楽の鑑賞」「四世竹本津大夫芸話」などを参考にしてください。
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