第18回特集は、三巨頭のひとり、六代竹本土佐太夫と相三味線の七代野澤吉兵衛による艶容女舞衣 酒屋の段です。今回は、両師が引退した昭和12年頃に発売されたレコードを聞いていただきます。酒屋は得意とした語りものの一つで、当時の劇評記事でも評判の高さを伺えます。また、義太夫レコードの収集と研究をされた安原氏も土佐太夫のレコードについて「六世土佐太夫はワシに十二種吹込んだが発売されたのは紙治、酒屋、壷阪、先代萩、柳の五種類に過ぎなかった。キングには電気吹込で柳、酒屋、朝顔、壺阪の四種があるが此の酒屋が一番好いと思っている。土佐太夫はレコードより実際の方が数等好い。レコードで聞き劣りのする損な方だ。」(雑誌文楽2月号 P41 昭和23年2月発行)と書き残しています。音源はレコード1面単位で載せます。テキストは「義太夫全集」(日本音曲全集)、歌謡音曲集(日本名著全集)や文楽浄瑠璃集(日本古典文学大系 岩波書店)など、その他については上演資料集などを参考にしてください。
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