第9回特集は、二代つばめ太夫時代の昭和初期音源を聞いていただきます。明治44年にニ代古靱太夫(のちの山城少掾)に入門、ニ代つばめ太夫、四代織太夫を経て昭和22年に八代綱太夫を襲名しました。山城少掾の後継者として昭和中期の紋下格の人です。また、新義座の結成や三ツ和会といった新しい時代の萌芽にも関与しています。綱大夫になってからは十代竹澤弥七とのコンビでLPに多大な音源を残しています。今回の音源はまだ青年期に四代野澤勝市と吹き込んだものを一部紹介します。四代勝市は大正期には七代源太夫と組んでいましたが、昭和ニ年に二代つばめ太夫の相三味線になりました。このあたりの事は竹本綱大夫著『でんでん虫』にも紹介されています。音源はレコード1面単位で載せます。テキストは義太夫全集、浄瑠璃名作集、過去の上演パンフレット付録床本等を参考にしてください。