太夫・三味線の系譜特集


竹本津太夫(三代)

法善寺の津太夫(二代)の門下、昭和16年5月没。 豪胆な芸風と言われ、良い声ではないが聴くものを圧倒する。とくに昭和初期にコロンビアから数多くの段物SPレコードを出している。代表作は友治郎と組んだ傑作、沼津の段。同じく友治郎との忠臣蔵六段目、堀川、尼ヶ崎、叶と組んだ寺子屋、すしやがある。他にニッポノホン盤、ナイガイ盤、強腕の綱造とのキング盤がある。四代津大夫の『文楽三代』で偲ぶことができる。

鶴澤叶(4代)

三代清六門、のちに二代鶴澤清八となる。昭和45年没。嫌気のしない三味線である。師匠三代清六のエピソードや芸談は『文楽聞書』の中の鶴澤叶・聞書に詳しい。三世津太夫と組んで多くの音盤を残している。また、独自の活動として素義対象と思われる一人語りのさわり集レコードも出している。