第11回特集は、七代竹本源太夫の音源を聞いていただきます。七代源太夫は、明治25年六代源太夫入門で彦六座、稲荷座、明治31年からは文楽座に出座、昭和10年に55歳で亡くなりました。この人は現綱大夫の祖父にあたる方で、八世竹本綱大夫著「芸談かたつむり」や現綱大夫の「織大夫夜話」に人柄と数々の逸話も紹介されています。声量が豊かで語り口も気持ちがよく、四代野澤勝市(勝太郎)、四代豊澤仙糸と組んで数多くのレコードを残しています。以前に菅原伝授手習鑑 寺子屋の1部を取り上げましたが(音源集参照)、今回の音源は四代勝市、四代仙糸との珍しいものをそれぞれ一部紹介します。十八番の笑いの芸として「笑い薬の段」、風ものといわれる仙糸との「楼門の段」です。音源はレコード1面単位で載せます。テキスト・参考として浄瑠璃名作集(上、生写朝顔話、有朋堂)や国立文楽劇場上演資料<3>中の「型と演出」笑い薬の段、義太夫全集(下、国性爺合戦、日本音曲全集)過去の上演床本等、義太夫節の様式展開(アカデミア・ミュージック社)などを利用してください。